症例報告
奈良の鍼灸「鍼灸王国」
Top Member多井一貴
「患者」
56歳・男性・会社員
「症状」
右膝の痛み
「来院日」
H30年1月末
「来院経緯」
発症は前日の夜。
患者は帰宅時に電車を待っていた。
ホームに電車が到着したため、動こうとした瞬間に突然ズキっとした痛みが走ったとのこと。
それから膝の曲げ伸ばしをすると痛みが走り、歩行時は常に痛みがある。
そのため歩く際、痛みで脚をまっすぐに出すことが出来ず、引きずるような歩き方になる。
患者は、以前に別の箇所を痛めたときに当院で
「痛めたらすぐに治療を行った方が早く治る」
と言われたことを思い出し、発症した当日に来院を決意。
翌日の予約を取った。
「治療経過」
1診目
患者は、右膝の曲げ伸ばしで痛みを訴えている。
歩行時は平地でも痛みを感じており、足を引きずるような歩き方になっている。
階段の昇り降りの際は、交互に足を出すことが出来ず、片足ずつでしか昇り降りが出来ないとのこと。
それに加え、動き出しの痛みもあり、座位から立位に移行する際は何かの支えがないと立ち上がることが出来ずにいる。
触診を行うと、右膝の内側部に圧痛を確認。
少し熱感はあるものの、目に見えての腫脹は見られず、変形も無し。
施術室内で歩行動作確認。
足を引きずるように歩いており、疼痛性跛行がみられる。
伸展外反ストレステスト 陽性
屈曲外反ストレステスト 陰性
アプリ―テスト 陰性
マックマレーテスト 陰性
触診及び検査から、半月板には異常がなく、『内側側副靭帯Ⅰ度損傷』だと判断。
その判断をもとに治療を進めていく。
受傷直後で疼痛を強く訴えているが、
「必ず痛みがなくなり、普通に歩けるようになる。ただし、次の施術は出来る限る期間を詰めて来院するように。」と説明し、患者に同意を得る。
施術室内で歩行した際の痛みをペインスケール「10」と設定し、治療開始。
(ペインスケールとは痛みを10段階で表した指標のこと。10に近づくにつれ痛みが強い状態。患者自身に数字を示させる。)
治療:
合谷・曲池に接触鍼、太谿・百会に置鍼することにより身体全体の気の流れを調整。
仰臥位0調整、立位0調整、足関節アライメント調整。
施術後、ペインスケール「10」→「5」
施術室内で歩行動作を確認したところ、疼痛性跛行はほとんどみられず、足を引きずる様子が減少。
患者は、
「痛みがだいぶ減った。歩くのに足を地面に付けるのも痛かったが、しっかりと地面に付けることが出来る。」とのこと。
右膝内側の圧痛が減少するも、熱感は残存。
自宅で患部のアイシングを指示。
患者には必ず翌日の受診するように伝え、1診目施術終了。
2診目
前回から次の日の来院。
患者から
「自宅に帰ってから言われたようにアイシングを徹底して行った。今朝起きたら痛みがだいぶ減って、歩きやすくなったがかわりに足がものすごく重たい感じがする。」との報告。
触診を行うと、前回治療後よりも圧痛が減少、熱感も減少していた。
ペインスケール「4」
伝えた通りにアイシングを行った結果、治療との相乗効果がみられ、ペインスケールが減っているのがわかる。
施術室内での歩行動作を確認。
引きずる様子はほとんどなくなったが、患者自身が言うように足の重たさからくる足が前に出にくそうな動きが出現。
患者には『炎症が取れてくる際に起こる、血流量の変化によっておこる重たさが出ているので心配はいらない。治ってきている証拠なので安心するよう』に伝え、施術開始。
治療:
合谷・曲池に接触鍼、太谿・百会に置鍼することにより身体全体の気の流れを調整。
下肢血流循環調整、立位0調整、足関節アライメント調整。
施術後、ペインスケール「4」→「1」
施術室内で歩行動作を確認。
疼痛性跛行はみられず、足を引きずる様子もない。
足の重たさからくる足が出にくそうな動きも消失。
患者は「もう痛みはほとんどなく、足が軽くなった。今なら走れるかもしれないぐらい良い感じ」とのこと。
『楽になって嬉しいのはわかるが、まだ油断はせずにアイシングを継続して行うこと。足の重たさに関しては、まだ少し出てくる。歩くのは構わないがあまり長時間にならないようにすることと、走るのはもう1回の施術が終わるまでは我慢すること』と伝える。
次回の来院を5日後に設定し、2診目施術終了。
3診目
前回から5日後の来院。
患者から
「痛みはもう感じることはなく、平地はもちろん、階段の昇り降りにも痛みなく動けている。足の重たさも出ることがあったが、感じないときもあり調子は良い」との報告。
触診を行うも、圧痛及び熱感は消失。
ペインスケール「0」。
施術室内での歩行動作を確認。
疼痛性跛行はみられず、足を引きずる様子もない。
足の重たさからくる足が出にくそうな動きも消失。
大きな問題はないが、若干の足首の固さがみられる。
治療:
合谷・曲池に接触鍼、太谿・百会に置鍼することにより身体全体の気の流れを調整。
下肢血流循環調整、足関節アライメント調整、腓骨神経調整。
施術後、足首の固さが取れて「より足が軽くなった」とのこと。
患者には『これからはどんどん歩いて、運動もしていってもらって構わない。ただしいきなり全力で動かず、徐々に増やしていくよう』に伝える。
次回の来院を1週間後に設定し、3診目施術終了。
4診目
前回から1週間後の来院。
患者から「引き続き痛みはなく、階段の昇り降りにも何の問題なく出来ている。足も軽いし、痛める前よりも快調なぐらい。運動もやってみたが、元々そんなにたくさんやっていたわけではないので、身体は疲れたが膝は問題なさそう。」との報告。
ペインスケール「0」を維持。
施術室内での歩行動作を確認。
疼痛性跛行はみられず、足を引きずる様子もない。
足の重たさからくる足が出にくそうな動きも消失。
前回みられた足首の固さが若干残存。
治療:
合谷・曲池に接触鍼、太谿・百会に置鍼することにより身体全体の気の流れを調整。
下肢血流循環調整、足関節アライメント調整、腓骨神経調整。
患者には次回から1か月に1回のメンテナンスに以降する旨を伝え、4診目施術終了。
「患者さんの口コミ・感想」
歩けないほどの膝の痛みからすぐに通常の生活に戻れました
Q1.どんな症状をお持ちでしたか?
右膝の痛みで歩けなかった。その日のうちに来院しました。
Q2.鍼灸治療など、当院へ来院にあたって心配はなかったですか?
また心配はどうやって解消しましたか?
以前から別の部分で治療してもらっていたので全く心配なかった。
Q3.当院の施術を受けたときの印象・感想などを教えてください。
優しく、丁寧に治療して頂きました。
Q4.あなたと同じ様な症状をもった方へ、何か勇気が出るメッセージがあればお願いします。
すぐに通常の生活に戻れて嬉しいです。感謝しかありません。これからもよろしくお願いします。
お名前:谷口さん ご年齢:56歳 ご住所:大阪府大阪市
※お客様の感想であり、効果効能を保障するものではありません。
「担当からの考察」
今回の患者さんである谷口さんは、痛みが強く、普通に歩くこともままならないような状態で来られました。
『内側側副靱帯Ⅰ度損傷』という判断をしたのですが、本来この箇所を痛めるのは膝に対して外側から内側への外力が加わることによって起こります。
ですので、コンタクトスポーツや交通事故などで起こることが多いのですが、谷口さんの場合には外力が加わることはなく、単独で痛めてしまったようでした。
おそらく電車を待っているという「静」の状態から、電車が到着し、動き出す「動」の状態に移行する際に、膝を内側に捻るような形で体重がかかってしまったため起こったものと思われます。
人間の身体は、ある程度予測のつく動きに対しては耐えることが出来るのですが、思わぬ刺激に対しては案外もろかったりするのです。
そのため今回のような痛め方をしてしまったようでした。
実際に身体を診てみると、大腿骨と脛骨(脛の骨)に変位がみられました。
これは内側になんらかの力が加わることで起こる変位です。
治療に関しても、その部分を徹底して調整を行っています。
それを丁寧に取っていくことでたったの3回の施術で痛みが全く無くなり、痛みで引きずって歩いていた状態から、平地はもちろん階段の昇り降りでも気にすることなく歩けるようになりました。
ただ1つお伝えしておきたいのは、『内側側副靭帯』を損傷した場合、今回のように3回で完治してしまうような簡単なものではありません。
特に痛めてから時間が経過してしまっているものに関しては、治療期間も回数もかかってしまうことが多いです。
というのも、人間の身体は痛みがあると知らず知らずのうちにかばってしまうため、元々あった状態からさらにこじらせてしまいます。
そうなってしまうと、大腿骨と脛骨の変位だけでなく、別の箇所もいくつか変位を起こしてしまうため、治療箇所が増えてしまうのです。
ですから今回の谷口さんのように、痛めてしまったらこじらせてしまう前に治療を開始することが、早く治すためにとても重要になってきます。
ただ『内側側副靭帯』の損傷というのは、ちゃんとした治療をしてあげれば必ず良くなります。
多くの人に痛みなく「普通」に生活してもらいたいという想いで毎日治療にあたっています。
痛みがあって「普通」に生活出来ない方は当院に来て、「普通」の生活を取り戻してもらいたいと思っています。
あなたとのご縁を心よりお待ちしております。
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