即手術と言われた半月板損傷が歩き回れるまでに完治した事例

症例報告

 

Top Member多井一貴

 

 

 

 

「患者」

50歳・女性・主婦

 

 

「症状」

左膝半月板損傷

 

 

「来院日」

H29年1月

 

 

「来院経緯」

発症は2ヵ月前。

 

患者は数か月前から左膝に違和感を持っていた。

 

ある日の朝、

日課である犬の散歩に出かけた。

 

散歩中に連れていた犬が急に思わぬ方向に駆け出し、

左膝で踏ん張ったところ今まで感じたことのないような激痛が走った。

 

しばらく動けずにその場で立ちすくんでいたが、

しばらくすると痛みが少し治まってなんとか歩けるようになったため、

散歩途中で帰宅。

 

なんとか足を引きずりながら歩いて帰宅することは出来たが、

膝の痛みは少し治まったものの、

痛みは継続して強いものであった。

 

数日様子を見てみたが、

歩く際は足を引きずるような形でないと歩けず、

痛みは大きく変わらず強いものであり、

当日は気付いていなかった腫れも出てきていた。

 

まともに歩けないことを不安に感じた患者は、

奈良で有名な整形外科を受診。

 

レントゲン及びMRIによる検査によって「半月板損傷」の診断を受ける。

 

医師からは手術を勧められる。

 

患者は手術を回避するため、

webで半月板損傷を手術なしで治せる手段がないかを調べていたところ、

当院のHPにたどり着く。

 

多数の患者さんの声を読み、

半月板損傷が治った方の声もあったことから希望を持ち、

来院を決意。

 

「治療経過」

1診目

患者は待合室から施術室まで移動するのも困難な状態で、

足を引きずるように歩行している。

 

短い距離の歩行で痛みを感じるため

、日常生活にも支障をきたしているとのこと。

 

寝ているときにも、寝返りをした際に痛みを感じるため、途中で目が覚めてしまうとのこと。

 

触診と検査を行う。

患者は写真の赤〇の部分に疼痛と熱感を訴えており、圧痛も確認出来た。

 

伸展外反ストレステスト (+)

屈曲外反ストレステスト (-)

アプリ―テスト (+)

マックマレーテスト (±)

 

以上から「半月板損傷」および「内側側副靭帯損傷」と判断。

 

患者からは、「痛みを感じずに犬の散歩を再開したい。」との要望。

 

患者の要望に応えることは可能であるが、

疼痛の度合いが強いことから3~4か月は必要であると推測。

 

初めの1ヵ月は週に2回のペースで来院が必要であることを説明し、

患者の同意を得る。

 

歩行時の痛みを最も強く訴えていることから、

施術室内で歩行した際の痛みをペインスケール「10」と設定し、治療開始。

(ペインスケールとは痛みを10段階で表した指標のこと。10に近づくにつれ痛みが強い状態。患者自身に数字を示させる。)

 

治療:

合谷・曲池に接触鍼、太谿・百会に置鍼することにより身体全体の気の流れを調整。

仰臥位0調整、立位0調整、足関節アライメント調整。

 

治療後、

患者は「痛みはまだ変わらないが、足がすごく軽くなった。不思議な感じがする。」とのこと。

 

次回は3日以内の来院を指示し、1診目施術終了。

2診目

前回から2日後の来院。

 

患者は

「痛みはあまり変わらないが、足の重さは前回の治療後から楽な感じ。歩くのはかなり痛い。」

との報告。

 

ペインスケールは「10~9.5」とほとんど変化なし。

圧痛・熱感、共に確認出来る。

 

治療:

合谷・曲池に接触鍼、太谿・百会に置鍼することにより身体全体の気の流れを調整。

仰臥位0調整、立位0調整、足関節アライメント調整。

 

次回は3日以内の来院を指示し、2診目施術終了。

5診目

前回から5日後の来院。

 

患者は

「痛みが少し引いてきている。夜寝ている際に痛くて目が覚めてしまっていたが、寝返りをしてもそんなに痛まずに寝れている。ただ歩くのはまだ痛みが強いため、あまり歩けない。」

との報告。

 

ペインスケール「10」→「8」

 

治療:

合谷・曲池に接触鍼、太谿・百会に置鍼することにより身体全体の気の流れを調整。

仰臥位0調整、立位0調整、足関節アライメント調整。

 

圧痛・熱感、共に減少していることを確認。

 

次回は5日以内の来院を指示し、5診目施術終了。

 

8診目

前回から5日後の来院。

 

患者は

「夜の寝返りの痛みがほとんどなくなり、ぐっすりと眠れている。歩くのも少しずつ楽になっているのがわかる。痛みはあるが歩けている。」

との報告。

 

ペインスケール「8」→「6」

 

治療:

合谷・曲池に接触鍼、太谿・百会に置鍼することにより身体全体の気の流れを調整。

仰臥位0調整、立位0調整、足関節アライメント調整。

 

治療後、

ペインスケール「6」→「5」

ペインスケールが半分になり、

痛みが半減していることがわかる。

 

歩き方の確認をしたところ、

足を引きずるような形だったものが改善されており、

若干の引きずる様子はあるものの、

歩くスピードが初診時よりも上がっている。

 

次回は5日以内の来院を指示し、8診目施術終了。

10診目

前回から5日後の来院。

 

患者は

「歩くのもだいぶ痛みが減って歩きやすくなっている。ただ階段の昇り降りはで痛みが強い。特に降りるときの痛みが強くて手すりを持ちながらでないと降りることが出来ない。」

との報告。

 

ペインスケール「5」→「3」

 

治療:

合谷・曲池に接触鍼、太谿・百会に置鍼することにより身体全体の気の流れを調整。

仰臥位0調整、立位0調整、足関節アライメント調整。

 

次回は5日以内の来院を指示し、10診目施術終了。

15診目

前回から5日後の来院。

 

患者は

「平地を歩くのは、ほとんど気にせずに歩けるようになっている。階段の昇り降りは、昇りはちょっと違和感がある程度で痛みはほとんどない。降りるのはまだ痛みがある。」

との報告。

 

ペインスケール「3」→「1~0」

 

ペインスケールから、

歩く際の痛みはほとんどないことがわかる。

 

患者の話しから歩く際と階段を昇る際に違和感がある程度になり、

階段の降りる際にのみ痛みがあることがわかった。

 

また日常生活においては制限されていた動作が出来るようになり、

生活しやすくなっているとのこと。

 

治療:

合谷・曲池に接触鍼、太谿・百会に置鍼することにより身体全体の気の流れを調整。

仰臥位0調整、立位0調整、足関節アライメント調整。

 

次回は1週間以内の来院を指示し、15診目施術終了。

18診目

前回から7日後の来院。

初診から3か月半が経過。

 

患者は

「階段の昇り降りもほとんど気にならなくなった。犬の散歩のときも小走りするぐらいは出来るようになっている。」

との報告。

 

ペインスケール「0」

施術室内で確認できる痛みは消失。

 

治療:

合谷・曲池に接触鍼、太谿・百会に置鍼することにより身体全体の気の流れを調整。

仰臥位0調整、立位0調整、足関節アライメント調整。

 

次回は2週間後の来院を指示し、18診目施術終了。

20診目

患者から

「全く痛みも違和感もなく生活出来ている。痛める前と変わらない状態で調子良く動けている。」

との報告。

 

今回で治療は終了し、1ヵ月に1回のメンテナンス期に移行することを伝え、施術終了。

 

手術を勧められた半月板損傷が手術なしにすっかり良くなりました。

Q1.どんな症状をお持ちでしたか?

左膝の半月板損傷

 

Q2.鍼灸治療など、当院へ来院にあたって心配はなかったですか?

また心配はどうやって解消しましたか?

有名な整形外科医から手術を勧められていたが、手術をしたくなかったので、ダメもとで来ました。(失礼なことですみません)またホームページの隅々まで読んで信頼出来そうな気がしてました。それで心配は無かったです。

 

Q3.当院の施術を受けたときの印象・感想などを教えてください。

落ち着いた雰囲気と先生のお話しぶりで期待通りでした。帰る時の体(膝)の軽さは不思議なくらいで嬉しかったです。

 

Q4.あなたと同じ様な症状をもった方へ、何か勇気が出るメッセージがあればお願いします。

人間の自然治癒力を最大限に引き出して下さります。(メスを入れるのはそのあとでも大丈夫だと思います)私はすっかり良くなりました。

お名前:ゆうちゃん ご年齢:50歳 ご住所:奈良県奈良市 

※お客様の感想であり、効果効能を保障するものではありません。

「担当からの考察」

今回の患者さんであるYさんは、

大好きなワンちゃんの散歩中に膝を痛めてしまい歩くのもままならない程の強い痛みで来院されました。

 

痛みで足を引きずりながら本当に辛そうな状態でした。

 

しかも奈良で有名な整形外科のお医者さんに即手術を言い渡されてしまい、

とても不安に陥ってしまっていました。

 

それでも「絶対に手術は嫌」という強い想いから当院に来院され、

私を信じて通ってくれた結果、

即手術と言われた「半月板損傷」が見事完治にまで至りました。

 

手術なしに日常を取り戻せて本当に良かったですね、Yさん!

 

 

それでは考察に入ります。

 

まず初めに半月板がどういうものか説明していきます。

 

下図のように膝関節の間にある軟部組織になります。

この半月板は、骨と骨がぶつかる衝撃を和らげるクッションのような役目をしています。

 

膝というのは荷重の非常に強くかかる関節になるため、

このクッションがないによって、

骨同士がぶつかって骨折してしまったり、

軟骨が損傷してしまったりするのを防いでくれています。

 

しかし、その負担に対して耐え切れないと損傷してしまいます。

 

この損傷が起こるときというのは、

ほとんどの場合が膝の屈曲と回旋の動作が加わることで起こります。

 

Yさんの場合には、ワンちゃんが不意に動き出した際に踏ん張ろうとしたことで下図のような形になったと考えられます。

(赤矢印の方向に負荷がかかる)

 

通常かなりの負荷がかからないと半月板損が損傷するまでには至らないのですが、

Yさんは円板状半月と呼ばれる状態を生まれつき持っていたようです。

 

これは本来、

離れているはずの内側半月と外側半月がぐるっと一周している状態のことで、

先天性(生まれつき)のものになります。

 

この円板上半月は通常の半月板に比べ軽微なストレスで損傷してしまうという特徴があります。

 

そういった事もあり、

通常はスポーツなどの大きい負荷がかかって起こるはずのものが、

普通の生活の中で起こってしまったと考えられます。

 

 

そして今回「半月板損傷」で即手術と診断された状態でしたが、徒手検査を行ったところ「手術なしに3~4か月で治せる。」という判断をしました。

 

実際に手術が必要な「半月板損傷」というのは当然ありますし、

本当に重度の「半月板損傷」の場合には手術をした方が良いと判断するケースもあります。

 

ですが今回のケースは必要ありませんでした。

 

まずMRIでの検査で損傷している箇所が半月板の外側であったこと。

これが中心部であればかなり難しくなってきます。

 

というのも、

半月板というのは外側には血管が通っており、

中心部に行くと血管が通っていないという解剖学上の問題があります。

 

血管が通っていないということは、

栄養が届きにくいと言ことになります。

 

厳密に言うと血管の通っていない中心部にも膝関節内の滑液というものから栄養が届きます。

 

ですが、その滑液から栄養が供給されるためには膝関節の荷重や関節運動が必要となります。

 

つまり痛みで歩けない状態になると荷重をかけることも、

関節運動をすることも困難になるため、

非常に治しにくいということになってしまいます。

(もちろんその状態でも手術なしに治療することは可能ですが、非常に時間がかかります)

 

ここまでの説明だと「有名だという整形外科医の診断は誤診だったの?」と思うかもしれません。

 

決してそういうわけではありません。

 

おそらくどこに行ったとしてもほとんどが手術という選択をされると思います。

 

ただ当院には、

そういった難治性の疾患を持った方たちを完治に導いてきた技術があるからこその判断なのです。

 

あなたがもし手術しかないと言われてしまっていた状態であったとしても絶対にあきらめないでほしい。

 

私たちにはそんな方を笑顔にするという使命を持って毎日治療に当たっています。

 

あなたとのご縁を心からお待ちしています。

 

 

鍼灸王国