指1本半しか開かず食事もままならない顎関節症がたったの1か月で完治に至った理由とは?

症例報告

 

Top Member多井一貴

 

 

 

 

「患者」

18歳・男性・学生

 

 

「症状」

顎関節症

 

 

「来院日」

H30年3月末

 

 

「来院経緯」

発症は1週間前の土曜日の晩。

 

患者は食事の最中、顎に違和感を覚えたという。

 

違和感はあるものの、食べることが出来ないわけではなかったため食事を続ける。

 

食事が終わり、しばらくしてから歯を磨こうとしたところ明らかに口が開いていないことに気が付く。

 

開ける際には「ゴリゴリ」とした音が鳴り、

大きく開けようとすると左の顎に痛みが出ていた。

 

患者は今回発症する前にも似たような顎関節症の症状で苦しんでいたことがあった。

 

1年ほど前に口腔外科で受診をしたところ、

「歯の噛み合わせが悪い」ということでマウスピースを勧められ作成した。

 

その時は1ヵ月ほどマウスピースを装着する生活を送った結果、症状は消失。

 

その後しばらくは症状が出なかったため、患者は「もう治った」と思っていたところ再発する。

 

今回も同じ口腔外科を受診したところ

、前回と同じく「歯の噛み合わせが悪い」ということで以前作成したマウスピースを装着し、

様子を見ることにした。

 

しかし1週間経過後も症状が全く変わらないことに不安を覚えた患者は、

顎関節症が治る方法をweb上で探していたところ、当院のHPにたどり着く。

 

HP内の「患者さんの声」を読み「顎関節症」の人が治っているのを見て、

もしかしたら治るかもしれないという思いを持ち来院を決意。

 

「治療経過」

1診目

患者は口を開けれずに食事もままならない状態にある。

 

開けれられるのは指1本半が限度でそれ以上開けようとすると左の顎に痛みが生じる。

 

また開ける際には「ゴリゴリ」という音が鳴り、不安感を覚えている。

 

そのため現在食事はスプーンで少しずつ入れられるスープ上のものがほとんどで、

固形のものは少しでも固さがあると痛むため摂取出来ていないとのこと。

 

顎関節症における代表的な徴候は

  • 顎関節痛(顎が痛む)
  • 開口障害(口が開かない)
  • 顎関節雑音(顎を動かすと音がする)

というのが一般的であるが、

患者はすべての徴候を訴えている。

 

特に開口障害が顕著に出ており、

食べたい物が食べられないことが苦痛であるとのこと。

 

またこの4月から大学進学が決まっており、

新生活を送るにあたり不安が大きいことで精神的に動揺している。

 

そのため出来うる限り早期に通常の食事を摂れる状態にいてほしいという要望を受ける。

 

これまでの経験から軽度の顎関節症であれば10回以内の施術によって、

ほぼ元の生活に戻れることはあるが、

今回のケースの場合には3徴候のすべてが出ている点と、

開口障害の状態が指1本半ほどという点から10回以内の完治は難しいかもしれないことを伝える。

 

それでも全力で施術を行い、

可能な限り早期に完治を目指す旨を説明し、

患者の了承を得る。

 

患者は口を最大限に開けようとした際に一番痛みを強く訴えることから、

この時の痛みをペインスケール「10」と設定し、治療開始。

(ペインスケールとは痛みを10段階で表した指標のこと。10に近づくにつれ痛みが強い状態。患者自身に数字を示させる。)

 

治療:

合谷・曲池に接触鍼、太谿に置鍼することにより身体全体の気の流れを調整。

頸椎調整、頭蓋骨アライメント調整。

 

治療後、ペインスケール「10」→「5」

 

痛みが半分にまで減少。

 

開口障害に関しては大きく変化はないが、

患者からは「少し開けやすい感じはある。」とのこと。

 

次回は3日以内に来院するよう指示し、1診目施術終了。

2診目

前回から3日後の来院。

患者は「少し開けやすい感じは継続している。痛みがかなりマシになっていている。音はまだあまり変わらない。」とのこと。

 

患者には『顎関節症の症状の変化は、基本的に顎関節痛→開口障害→顎関節雑音の順に良くなることが多いのでその通りに変化しているので大丈夫。』と伝える。

 

ペインスケール「5」→「3」

開口障害に関しては、2本は入らず1本半よりやや開けれる程度。

 

治療:

合谷・曲池に接触鍼、太谿に置鍼することにより身体全体の気の流れを調整。

内臓調整、頸椎調整、頭蓋骨アライメント調整。

 

治療後、ペインスケール「3」→「0」

痛みは消失。

開口障害は指が2本入るか入らないかの状態。

 

次回は3日以内に来院するよう指示し、2診目施術終了。

3診目

前回から3日後の来院。

患者は「痛みは全く無くなったまま継続している。口を開けるのも開けやすい気がする。少しご飯も食べれるようになってきている。」とのこと。

 

ペインスケール「0」のまま維持。

開口障害に関しては指2本分がなんとか開くようになっている。

 

治療:

合谷・曲池に接触鍼、太谿に置鍼することにより身体全体の気の流れを調整。

内臓調整、頸椎調整、頭蓋骨アライメント調整。

 

治療後、ペインスケール「0」のまま維持。

開口障害は指2本分開く。

 

次回は3日以内に来院するように指示し。3診目施術終了。

4診目

前回から3日後の来院。

患者は「昨日おにぎりを食べてみようとしたところ痛みが走り、また開けると痛い状態になってしまった。指2本が入るのは変わっていないが、開けると痛い。」とのこと。

 

ペインスケール「0」→「5」

 

治療:

合谷・曲池に接触鍼、太谿に置鍼することにより身体全体の気の流れを調整。

内臓調整、頸椎調整、頭蓋骨アライメント調整、僧帽筋調整。

 

治療後、ペインスケール「5」→「0」

患者の訴えていた痛みは消失し、開口障害は指2本半分開くようになった。

 

痛みは消失し、開口障害も順調にきていることで患者の精神的な不安も解消されつつあるとのこと。

 

次回は1週間後の来院するように伝え、4診目施術終了。

6診目

前回から7日後の来院。

患者は「痛みもなく、開けるのもずいぶん楽に開けれるようになった。いつの間にか音もあまりしなくなっていてびっくりしている。」とのこと。

 

ペインスケール「0」のまま維持。

開口障害は指3本まで開く。

 

治療:

合谷・曲池に接触鍼、太谿に置鍼することにより身体全体の気の流れを調整。

内臓調整、頸椎調整、頭蓋骨アライメント調整、顎二腹筋弛緩調整。

 

治療後、患者は「ずいぶん開けやすくなった。もう治療を終えても大丈夫ですか?」との訴え。

 

『再発の危険性がなくなるのにもう少しだけ様子を見てからにしましょう』と伝え、次回は10日後に来院するよう伝え、6診目施術終了。

 

7診目

前回から9日後の来院。

患者は「まったく顎を気にせず生活している。痛みも音もなく、開けるのも気にせず出来ている。」とのこと。

 

治療:

合谷・曲池に接触鍼、太谿に置鍼することにより身体全体の気の流れを調整。

内臓調整、頸椎調整、頭蓋骨アライメント調整、顎二腹筋弛緩調整。

 

この段階で治療を修了し、次回から1ヵ月に1回のメンテナンス期に移行する旨を伝え7診目施術終了。

ご飯を食べることも出来なかった顎関節症が治って驚きです

Q1.どんな症状でお困りでしたか?

またお困りの症状を治すために、今までどのような治療を受けてこられましたか?

あごがガクガクして口が開かず、ご飯が食べれなかった。

一度、口腔外科に行き、マウスピースを作ったが全く効き目がなかった。

 

Q2.鍼灸治療など、当院へ来院にあたって心配はなかったですか?

また心配はどうやって解消しましたか?

整骨院で顎関節症が治るのか心配だった。

実際に通っているうちに、良くなってきているのが実感できて解消した。

 

Q3.当院の施術を受けたときの印象・感想などを教えてください。

やさしそうな先生だと思った。

正直、ずっと横になって寝ていただけの気がした。

 

Q4.症状が改善した現在の想いをメッセージ下さい。担当が最高に喜びます!

たいへんうれしいです。

ご飯に困らないのが幸せで、治ると思っていなかったので、驚きました。

良い場所を見つけれて良かったです。

お名前:M・Sさん ご年齢:18歳 ご住所:奈良県北葛城郡広陵町 ご職業:学生

※お客様の感想であり、効果効能を保障するものではありません。

「担当からの考察」

今回のM・Sくんは顎関節症の中でも重度の症状の患者さんでした。

 

3大徴候すべてが出ており、

なにより開口障害が指2本も入らない指1本半という状態は本当に辛かったと思います。

 

発症したタイミングもこれから大学に入学して、

新しく出来た友人とご飯に行けないという不安からとても心も不安定になっていました。

 

これから新生活が始まるというワクワクとドキドキで緊張もしている中でこんなことが起こってしまったら不安にもなりますよね。

 

僕自身も緊張しいなのですごく良くわかります。

 

そんな中なんとかしたいと藁をもすがる思いでやってきたM・Sくんですが、

来院当初は「本当に治るのかな?大丈夫かな?」という思いで不安だったようです。

 

それでも僕を信じて、

指示通りに通ってくれたことでわずか1ヵ月7回の治療で良くなりました。

本当に良かったね、キャンパスライフをエンジョイしてねM・Sくん!

 

 

それでは考察に入ります。

 

まず初めに顎関節症の治療というのは本来時間がかかることが多い疾患であることをお伝えさせて頂きます。

 

なぜかというと、

ほとんどの顎関節症の方がまず歯科か口腔外科で受診をして、

多くの場合マウスピースを作成して様子を見るという治療を受けます。

 

そうすると当院に受診するまでに発症から期間があいてしまうということと、

場合によってはマウスピースが合わないことでより悪化してしまったり、

良くないが固定化されてしまったりするからなのです。

 

もちろんマウスピースで良くなるケースもあることは私たちも理解しています。

 

ただ少しイメージしてもらいたいのですが、顎関節症の出ている状態というのは顎関節にとっては良くない状態にあります。

 

その状態でマウスピースをすることによって良くない状態で固定されてしまっています。

 

例えば足首を捻挫した際にテーピングで固定するときは必ず足首にとって良い肢位を取って行います。

 

それが出来ないとマウスピースをしても悪化もしくは状態をこじらせてしまいかねないのです。

 

今回のM・Sくんの場合は、発症から1週間と早い段階で来院してくれたことが驚くほど早く完治にまで至った原因です。

 

状態のこじらせていない状態であれば、

頸椎(首)の調整と頭蓋骨の調整で顎関節の症状は大方取ることが出来、

あとは患部の微調整を行うだけで完治に至ります。

 

もし発症から時間がかかってしまっていたとしても、

決して治らないものではありません。

 

ただ少し時間がかかってしまうといことは覚えておいてください。

 

当院では顎関節症を得意としている治療院です。

 

私たちは顎関節症で生活が苦痛を生じている状態からいち早く脱却してほしいという強い想いで毎日施術に当たっています。

 

あなたとのご縁を心よりお待ちしております。

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顎関節症

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