症例報告
Top Member多井一貴
「患者」
46歳・女性・アメリカ人
「症状」
めまい・頭痛
「来院日」
平成29年11月上旬
「来院経緯」
発症は1週間前。
患者は火曜日の夜に寝ようと横になった時、突然ぐるぐると回るようなめまいに襲われた。
その後ぐるぐる回る感じと共に飛行機の離陸時のようなふわーっとしためまいも発症。
その日はほとんど眠れずに次の日の朝を迎える。
朝になると少し落ち着き、動けるようになったため仕事に向かう。
しかし仕事中、再び同様の下を向くとぐるぐる回るようなめまいが出ることに気づく。
またその日より、目の奥と頭頂部に刺すような痛みが出る。
1週間様子を見るも「少しはマシになったかな」という気はするものの、依然下を向くとぐるぐる回るようなめまいがするのと、横になろうとすると飛行機の離陸時のようなふわーっとしためまいがあり、目の奥と頭頂部の刺すような痛みは消えずに残ったままである。
患者は「このまま毎日この状態では生きていくのが辛すぎる」という思いから、当院に通う友人から紹介を受けて来院を決意する。
「治療経過」
1診目
現在、患者は発症してから常にめまいを気にしながら行動している状態とのこと。
下を向く際も普通に下を向こうとするとぐるぐる回るようなめまいが起こるため、ゆっくりと時間をかけて下を向かねばならない。
寝る時に1番めまいがきつく出るため、時間をかけてそろそろと横になるしかなく、また仰向けには寝ることが出来ない。
実際に問診後、寝てもらう際もベッドに腰かけた状態から、横向きに肘をついてゆっくりと横になるといった状態であった。
可能ならば仰向けに寝てもらうように伝えるも、とても仰向けになれる状態ではなく横向きでしか寝れなかった。
そのため施術中も横向きに寝たままの施術しか出来ない状態であった。
それと共に頭痛も目の奥と頭頂部に刺すような痛みが残っており、時折きつく痛みが出るということである。
これから施術していくにあたり、めまい・頭痛共に発症後1番症状がきつかった時を10段階で表してもらい今後の指標とすることとした。
1診目の施術前の状態でめまいが「9」、頭痛が「7」という状態であった。
1週間の間で頭痛は少しマシになっているが、めまいに関してはほとんど変わっていないことが分かった。
軽いめまいではなく、重度に分類できるめまいでもあるため、初めの5回は週に2回の来院を指示。
しかし、過去の経験上2か月あればおおよそ元の状態に戻れるであろうことも伝え施術開始。
治療:
合谷・曲池に接触鍼、百会に置鍼することにより身体全体の気の流れを調整。
変位頸椎調整、変位クラニアル調整。(横向きでしか寝れないため)
治療のために仰向けで寝てもらったあと、起き上がる際に飛行機の離陸時のようなふわーっとしためまいが発現。
施術後、頭痛に関しては痛みが変わったとの事なので、10段階で表してもらうと「7」から「4」に。
めまいに関してはこの段階では変わっているかを確認するために動いてもらうのは良くないという判断から聞かずに1診目施術終了。
2診目
前回から3日後の来院。
患者から「頭痛はかなりマシになったが、めまいはまだあるので夜寝るのに仰向けに寝るのはまだ出来ない。」との報告。
10段階評価で頭痛は「3」、めまいは「7」に軽減。
今回も横になる際は前回同様にベッドに腰かけた状態から、横向きに肘をついてゆっくりと横になるといった状態であった。
ただ前回よりも時間はかからなくなった。
この日も仰向けで寝ていることは出来ずに横を向いて寝てもらう。
ただ短い時間なら出来そうであるとのことであるため、必要な時だけ仰向けに寝てもらい施術を行う。
治療:
合谷・曲池に接触鍼、百会に置鍼することにより身体全体の気の流れを調整。
頸椎調整、クラニアル調整、内臓全体調整。
前回同様治療のために仰向けで寝てもらったあと、起き上がる際に飛行機の離陸時のようなふわーっとしためまいが発現。
施術後、10段階評価で頭痛は「1」、めまいは「6」。
次回も詰めて来院するよう伝えて、2診目施術終了。
3診目
前回施術から5日後の来院。
患者から「頭痛はほとんど気にならなくなった。ぐるぐる回るようなめまいも楽になってきていて、仕事中の下向く動作も前よりも症状が出にくくなった。しかし、夜寝るときは飛行機の離陸時のふわーっとしためまいでまだ仰向けでは眠れない。」との報告。
10段階評価で頭痛は「0」、めまいは「5」。
今回も横になる際は初回から同様にベッドに腰かけた状態から、横向きに肘をついてゆっくりと横になるといった状態であった。
ただ前回よりもさらに時間はかからなくなった
少し怖さもあるものの、
「ある程度の時間仰向けにはなれそう。」
という患者からの発言はあるが、用心して今回も必要なときのみ仰向けになってもらう。
治療:
合谷・曲池に接触鍼、百会に置鍼することにより身体全体の気の流れを調整。
頸椎調整、横隔膜調整、クラニアル調整、肝臓調整、ホルモンバランス調整。
今回は治療のために仰向けで寝てもらったあと、起き上がる際の飛行機の離陸時のふわーっとしためまいは発現せず。
施術後、10段階評価で頭痛は「0」、めまいは「5」。
6診目
患者から「夜も仰向けで眠れるようになった。頭痛はまったく無くなりだいぶ調子が良い。」との報告。
この段階で初診より3週間が経過。
患者より「発症直後は無理だと思っていたが、なんとか2週間後に帰国したい。」との願い。
家がハワイにあり、冬休みを使って自宅に帰りたいとのこと。
気圧の変動などを考えるとめまいがある状態でのフライトは危険であるが、現在の状態であればなんとか間に合うであろうと判断。
帰国できるように全力を尽くす旨伝え、施術開始。
治療:
合谷・曲池に接触鍼、太谿・百会に置鍼することにより身体全体の気の流れを調整。
横隔膜調整、ホルモンバランス調整、クラニアル調整。
施術後、10段階評価で頭痛は「0」、めまいは「1」。
本来であれば、期間を空けていけ段階であるが、フライトのことを考え帰国までの2週間の間に3回来院する旨伝え、施術終了。
9診目
帰国の前日に来院。
患者から「めまいもほとんど出ることがなくなった。たまにめまいが出そうな時があるが出るまでには至っていない。」
「フライトに若干の不安はあるものの、日常生活には支障がなくなり毎日快適に過ごしている。」と報告。
はじめのうちに出ていた横になる際はベッドに腰かけた状態から、横向きに肘をついてゆっくりと横になるといった状態も全くなくなっており、普通に横になれている。
横になってすぐに仰向けで寝ていることも出来ており、長時間寝ることも大丈夫とのこと。
治療:
合谷・曲池に接触鍼、太谿・百会に置鍼することにより身体全体の気の流れを調整。
横隔膜調整、ホルモンバランス調整、クラニアル調整、。
再来日後、調整とメンテナンス期に移行することを伝え、9診目施術終了。
「担当からの考察」
今回の患者さんであるSさんですが、本当に辛そうな状態で来院されたのでしっかりと良くなってもらえて、無事に帰国することができてすごく嬉しいです。
今回の治療の考察ですが、このSさんのケースの場合「頭痛」と「めまい」をセットではなく全く別の原因であると考え、施術を行いました。
「頭痛」も「めまい」どちらも頭に起こる症状ですのでセットに考えることが多いです。
実際、同じ原因で発症することもあるのですが今回のケースでは違うということが初診時の問診と身体を触っての診立てからわかりました。
まず鍼で身体全体の気の流れで気の流れの調整を行い、身体自身の治す力を取り戻してあげることをベースの治療として行っています。
そして「頭痛」に対しては頸椎の調整を行うことで目の奥と頭頂部の痛みを取り除くことが出来ました。
一口に「頭痛」といってもさまざまな要因で出ていることがあり、全ての「頭痛」にたいして頸椎の調整で良くなるわけではありません。
どこに原因があるかを探す目があるからこそこんなに短期間でまったく症状がないという状態にまでも追っていくことが出来ました。
1番辛い思いをいていた「めまい」の治療ですが、これはCSF(脳脊髄液)の調整で症状を改善させていきました。
おそらく聞き慣れない単語だと思います。
これは脳から身体全体に巡っているもので、わたしたちの身体にとってとても大切なものなのです。
その流れが悪くなってしまうと全身の様々な箇所に症状が出てしまうのですが、今回のSさんの場合には「めまい」 という形で出てしまっていました。
毎回そのCSFの調整を行うことで、徐々に症状が緩和されていき、下を向いても横になっても症状が出ない乗田にまで持っていけたのです。
もしあなたがめまいや頭痛で日々の生活が立ちいかなくなってしまっていて「どうしたらいいんだろう?」と困っているのなら、ぜひ当院を頼ってみてください。
あなたのそのつらい状態から抜け出すお手伝いが当院でなら出来ることを知っておいてほしいです。
あなたとのご縁を心からお待ちしています。
感謝。
症状について詳しくはこちら
関連記事
