【突発性難聴】 ステロイドで全く効果が出なかった70代女性が 20回、40日の集中治療で改善した事例

症例報告

Top Member  植田 康司

 

 

この記事は、昨年、右耳の聴神経腫瘍を発症。

その経過中に、左耳の突発性難聴を発症し、大量のステロイドを処方されるも

症状の改善が見込めなかった患者さんが、改善に至った経緯を記しています。

 

 

「突発性難聴」の具体的な治療法を記していますので、

最後まで読み進めてみてください。

右耳の聴神経腫瘍の経過観察中に、左耳のハウリングを起こし突発性難聴を発症

「患者」

71歳 女性 主婦

「症状」

突発性難聴

「来院日」

2018年10月下旬

「来院経緯」

患者は、昨年の10月右耳の聴神経腫瘍を患う。

腫瘍は頭蓋骨内にある為、手術をした場合、放射線治療を行う為、

右耳の聴力を失う事、顔面神経麻痺が出てくる場合がある事等を踏まえ、

手術はギリギリまで避けたいの一心で、1ヵ月に1回の定期健診を続け、様子を見ていた。

 

 

月日は流れ、今年の10月

定期健診で、聴神経腫瘍が発覚当初に比べ倍近くの大きさにまで至る。

その感も、右耳の聴力は徐々に低下していた。

 

 

それでも患者は、術後を考え手術をすることを避けて生活をおくっていた。

 

 

そんな折、

来院1週間前の10月中頃、自身で高い声を出した所、

”ハウリング”を起こす。

 

 

患者は、不安になるも

土曜日の夜であった為、月曜日まで様子を見る事に。

 

 

その後2日間

大きな変化は無かったが、月曜日起床後

聴力が著しく落ちている事に気づき、近所の耳鼻咽喉科を受診。

 

 

問診・聴力検査を経て

医師から「左耳の突発性難聴」と診断を受ける。

 

 

医師からは

「ステロイドを使用した服薬治療を3回行えば、聴力は回復してくるであろう」と

伝えられ、患者も「改善するのであれば」とステロイド治療に同意し、聴力の改善に努めた。

 

 

2度目のステロイド治療後、聴力検査を実施。

ほんの少しだけ聴力に変化があったものの、患者自身、実感できなかった為、

より一層不安を募らせる。

 

 

この時すでに

左耳の聴力は、右耳の聴力を下回っていた。

 

 

患者は、

「右耳の聴神経腫瘍の事を考えると、左耳の聴力は是が非でも残しておきたい」と

「突発性難聴」の治療が出来る医療機関はないか、インターネットを使い検索。

 

 

通院可能な範囲で検索した所、各鍼灸院が「突発性難聴」の改善事例を

ホームページに掲載していたのを目にし、「鍼が効くかもしれない」と希望を抱き、

検索を続けた結果、当院のホームページにたどり着く。

 

 

そして、ホームページ内の

「患者さんの声」や「症例記事」に目を通し、「ここなら何とかしてくれそうだ」と来院を決意。

「頚部の緊張感」「脳脊髄液の循環」を改善し、「本来の治す力」を高め、20回40日の集中治療で改善

10月20日 1診目

患者から、

「右耳の聴神経腫瘍を考えると、何が何でも左耳の聴力は残しておきたい」と

強い要望を受け、「ステロイド治療を行ってから、聴力検査上、ほんの少し改善したが

実感がない」と報告を受ける。

 

 

また聴力検査上、

「左耳は、2,000Hzの領域の聴力が著しく低下しており、

右耳は、全領域で聴力が低下している」との事。

 

 

その他、症状を確認。

 

 

左耳は自分の声が籠って聞こえる「耳閉感」

声自体が、耳の中に響いて二重・三重に聞こえる「ハウリング」

高い音を聞いたり、高い声を出すと「ビー」っと鳴り、ザァーっと大雨が降っているような、「耳鳴り」を自覚している。

 

 

引き続き、

身体各所の状態を確認。

 

 

「頚肩部全体の緊張感」「CSF(脳脊髄液)の循環不良」が確認できた。

 

 

 

以上の事から、

「突発性難聴」と判断し、治療を行う。

 

 

また今回は、右耳の「聴神経腫瘍」に対する治療は行わず、

左耳の「突発性難聴」の治療をメインに行う。

 

 

理由として、「突発性難聴」は

「発症後の経過期間」と、「症状の改善程度」が特に比例しやすい特殊な疾患の一つである。

 

 

その為、発症してから1週間と日が浅く、医師の元行った「ステロイド治療」で

検査上、若干の改善が見られた事、何より右耳の聴神経腫瘍の存在を鑑み

10診目までは、治療間隔を詰めるだけ詰めて来院する様に指示を出す。

 

 

患者からは

「当面の間は、予定を調整し毎日通院します」と同意を得て、治療開始。

 

 

治療:

 

曲地・合谷に接触鍼、太谿に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

クラニアル調整、CSF循環調整、頚肩部循環調整、耳前三穴置鍼

10月22日 2診目

患者から、

「昨日の治療後、少し聞こえ方が違った様に感じる」と報告。

 

 

状態を確認。

「頚肩部全体の緊張感」「CSF(脳脊髄液)の循環不良」は以前継続しているものの

改善の兆しがみられた。

 

 

本日も同様に、治療継続。

 

 

治療:

 

曲地・合谷に接触鍼、太谿に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

クラニアル調整、CSF循環調整、頚肩部循環調整、耳前三穴置鍼

10月23日 3診目

患者から

「昨日の夜、友人からの電話を左耳で聞いたら、良く聞こえました」

「まだ右耳に比べ聞こえにくさはあるが、高音が聞き取りやすかった」と報告。

 

 

状態を確認。

「頚肩部全体の緊張感」「CSF(脳脊髄液)の循環不良」は昨日と比べ

大きな変化はない。

 

 

本日も同様に、治療継続。

 

 

治療:

 

曲地・合谷に接触鍼、太谿に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

クラニアル調整、CSF循環調整、頚肩部循環調整、耳前三穴置鍼

10月26日 5診目

患者から

「左耳の聞こえ方は徐々に改善していて、希望が持てる」と報告。

 

 

状態を確認。

引き続き、「頚肩部全体の緊張感」「CSF(脳脊髄液)の循環不良」は確認出来たが、

初診時と比べ改善している。

 

 

また、

患者自身の顔色も明るくなっており、心身共に治療経過は順調である。

 

 

本日も同様に、治療継続。

 

 

治療:

 

曲地・合谷に接触鍼、太谿に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

クラニアル調整、CSF循環調整、頚肩部循環調整、耳前三穴置鍼

10月29日 7診目

患者から

「聞こえ方は継続しており、明日聴力検査に行きます」と報告。

 

 

状態を確認。

「頚肩部全体の緊張感」は以前継続しているが、

「CSF(脳脊髄液)の循環不良」は、10診目には概ね改善できるであろう。と

判断が出来る状態にまで改善。

 

 

本日も同様に、治療継続。

 

 

治療:

 

曲地・合谷に接触鍼、太谿に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

クラニアル調整、CSF循環調整、頚肩部循環調整、耳前三穴置鍼

10月30日 8診目

患者から

「検査したところ、医師からは改善はしていない」

また、「蛇毒が突発性難聴に効く事もあるから、無害化した製剤を注射しに行ってはどうか?紹介状も書きます」と薦められた。と俯き気味に報告。

 

 

 

状態を確認。

前回治療後と同じく、「頚肩部全体の緊張感」は以前継続しているが、

「CSF(脳脊髄液)の循環不良」は、10診目には概ね改善できるであろう。と

判断が出来る状態を維持。

 

 

また治療前、患者から、

「蛇毒の治療は断っても大丈夫でしょうか?」と相談を受けた。

 

患者には、

「検査上あまり変わりなくとも、変化を実感出来ているので医師の勧めは断って頂いて問題ない」と答え、「必ず良くなりますから、安心してください」とお伝えし、治療開始。

 

 

治療:

 

曲地・合谷に接触鍼、太谿に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

クラニアル調整、CSF循環調整、頚肩部循環調整、耳前三穴置鍼

11月5日 11診目

患者から、

「引き続き、状態は維持できています」と報告。

 

 

状態を確認。

これまで継続していた、「頚肩部全体の緊張感」も減少してきており、

「CSF(脳脊髄液)の循環不良」は、前回の10診で概ね改善し、以後は全身の状態を考慮しつつ、微調整を繰り返していく。

 

 

治療:

 

曲地・合谷に接触鍼、太谿に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

クラニアル調整、CSF循環調整、頚肩部循環調整、耳前三穴置鍼

11月12日 14診目

患者から、

「昨日気付いた事だけど、左耳の難聴を発症してからテレビの音量は20以上に上げないと聞き取りにくかったが、15まで下げても聞き取れました」と報告。

 

 

状態を確認。

「頚肩部全体の緊張感」「CSF(脳脊髄液)の循環不良」は、これまでと同様

良い状態を維持できている。

 

 

テレビの音量の変化は、

CSF(脳脊髄液)循環の微調整を繰り返している事で、身体内部の環境が

より良い状態になってきている証である。

 

 

本日も同様に、治療継続。

 

 

治療:

 

曲地・合谷に接触鍼、太谿に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

クラニアル調整、CSF循環調整、頚肩部循環調整、耳前三穴置鍼

11月19日 17診目

患者から、

「最近では電話も自然と左耳で聞き、不安になる事も少なくなりました」と報告。

 

 

治療:

 

曲地・合谷に接触鍼、太谿に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

クラニアル調整、CSF循環調整、頚肩部循環調整、耳前三穴置鍼

 

 

治療後、患者から

「左耳の突発性難聴が随分良くなったので、右耳の聞き取りにくさが際立ってしまう」と相談を受ける。

 

 

患者には

次回から、右耳の治療も追加していく旨と右耳・左耳の状態確認を

していきたいので、以後の3診はこれまでと同じ治療間隔で来院するように指示。

 

 

患者に同意を得て、17診目施術終了。

11月30日 20診目

患者から、

「左耳は難聴を発症する前の状態に近い所まで改善している」

「右耳も若干変化しているように感じます」と報告。

 

 

治療:

 

曲地・合谷に接触鍼、太谿に置鍼し、身体全体のエネルギー調整

クラニアル調整、CSF循環調整、頚肩部循環調整、耳前三穴置鍼

 

 

治療後、

左耳の状態は維持できており、右耳の症状にも変化が表れだしている。

 

 

概ね、身体の状態も安定してきているので、一旦集中治療は終了とし、

週2回又は週1回の治療を継続しつつ、更なる改善を目的に治療継続。

 

 

患者にも同意を得て、20診目施術終了。

ステロイド治療であまり改善せず、補聴器生活も覚悟した突発性難聴が改善し聞こえる様になりました!

Q1.どんな症状でお困りでしたか?

またお困りの症状を治すために、今までどのような治療を受けてこられましたか?

左耳の突発性難聴で、左耳では電話の音も聞き取れず、また自分の出す声が耳の中で響いて2重に聞こえたり、大雨が降っているようなひどい耳鳴りがして困っていた。

耳鼻科でステロイドを大量に処方され飲んでいたが、あまり改善しなかった。

 

Q2.鍼灸治療など、当院へ来院にあたって心配はなかったですか?

また心配はどうやって解消しましたか?

パソコンで調べていたら、各鍼灸院が治療実績などを載せていて、鍼が効くかもしれないと藁をもつかむ思いで来たので、心配というより期待の方が大きかった。

 

Q3.当院の施術を受けたときの印象・感想などを教えてください。

質問にもやさしく丁寧に答えてくださり、信頼して施術を受けて行こうと思いました。

 

Q4.症状が改善した現在の想いをメッセージ下さい。担当が最高に喜びます!

ステロイドが効かなければ、難聴のまま補聴器生活かと思っていました。

3回施術を受けたあとに友達から電話がかかり、悪かった方の耳で聞いてみたら良く聞こえたのでとても嬉しかったです。

その時より今ではもっと聞こえるようになっていて、本当にホッとしています。

ありがとうございました。

お名前:N・Nさん ご年齢:71歳 ご住所:奈良県生駒市 ご職業:主婦

※お客様の感想であり、効果効能を保障するものではありません。

「突発性難聴」が起こる原因

N、Nさん

強い決意を持って、治療に来ていただけたからこそ

症状の改善が出来ました。

 

 

これから、左右の聴力がより改善する様に

治療継続していきましょう!

 

 

では、

それでも「突発性難聴」が起こる原因についてお話していきます。

 

 

「突発性難聴」は

大きく分けて2つの原因があるとされています。

 

 

一つは、ウイルス感染症

二つ目は、内耳循環障害です。

 

 

この2つの原因はそれぞれ相互関係があり、

ウイルス感染症により、内耳循環障害が起こると考えられている説と

内耳循環が何らかの影響を受け、結果として、ウイルス感染を引き起こす。とされている説です。

 

 

ただ、どちらにせよ

基本的には、「ステロイド」を使用した「対症療法」が一般的に行われます。

 

 

また、「ストレスを貯めない」「十分な睡眠をとる」「高資質は食事をさける」などの

生活習慣の改善を促す事もあるようです。

 

 

今回の患者さんN・Nさんも

家庭の事情により、ご自身の精神的・体力的負担が急増したころに、

右耳の聴神経腫瘍を患った上、左耳の突発性難聴を発症しました。

 

 

また、「耳」という器官は

「神経」「リンパ」「筋肉」「血液循環」「脳脊髄液」等の機能が、

複雑に絡み合った上で「聴力」という特殊な機能を発揮しています。

この「CSF(脳脊髄液)」とは、

脳脊髄液は、第三脳室・第四脳室にある脈絡叢と呼ばれる部位で生成され

脳の表面や内部の空間、脊髄周囲を下端(尾骨)まで満たし、脳や神経の保護、神経の栄養や代謝に関係すると言われており、「CSF(脳脊髄液)」の循環が滞ると、身体の各所に不調をきたします。

 

※画像上の青い部分が脳脊髄液が満たしている間隙

 

その為、

上記の1つでも欠けてしまうと、本来の機能が発揮できなくなるという

繊細な器官です。

 

 

ですから、「突発性難聴」は

「発症後の経過期間」と、「症状の改善程度」が特に比例しやすい特殊な疾患の一つなのです。

 

 

N・Nさんの場合、

特に、「脳脊髄液」「血液循環」の調整が必要な状態であったと推察されました。

 

 

おわかりいただけたでしょうか?

最後に、「突発性難聴」の改善方法について記述していきます。

「突発性難聴」の改善方法

これまでお伝えしてきた

「突発性難聴」は耳周囲の「血液循環」や「リンパ」といった機能が1つでも欠けてしまう事で、発症してしまうとお伝えしました。

 

 

ですから、

治療は身体が本来有している、

「治す力」を最大限に発揮できる「環境」を整える事から始めました。

 

 

「治す力」とは、「免疫力」や「治癒力」を指し、

「環境」とは、「血液循環」や「脳脊髄液の循環」、「筋肉の柔軟性」、「各内臓器の状態」、「神経機能」、「リンパ」等を指しています。

 

 

その中でも、今回の患者さんN・Nさんは

特に、「耳周囲の血液循環」と「脳脊髄液の循環」を改善させる事を主に行いました。

 

 

「耳周囲の血液循環の改善」を目的に「頚肩部の筋緊張の緩和」を行い、

並行して、「脳脊髄液の循環調整」の為、頭蓋骨調整を行いました。

 

 

更に、耳の血液循環の改善を促進する為に耳前に鍼を行う事により、

よりスムーズに「環境」を整えていきました。

 

 

その結果、

「突発性難聴」を発症する以前の状態にまで改善する事ができました。

 

 

ただし、全ての方が

N・Nさんの様に改善される訳ではありません。

 

 

また、その逆で

発症してから数年、数十年経過していたとしても、改善された方もいらっしゃいますので、これを読んでいるあなたも、諦めずに連絡してみてください。

 

 

N・Nさんのように助けてるあげる事が出来ると思いますよ。

 

 

感謝

鍼灸王国