重度の脊柱管狭窄症で手術しかないと言われた状態から改善した事例

症例報告

 

Top Member多井一貴

 

 

 

 

「患者」

男性・86歳

 

 

「症状」

脊柱管狭窄症

 

 

「来院日」

平成29年 4月

 

 

「来院経緯」

発症は約1年前。

 

当初は腰の痛みが気になってはいたものの、我慢できないほどの痛みではなくしばらくの間は特に何もせずにいた。

しかし徐々に痛みが増してきたことで近所の整骨院に通院することを決意し、」治療を受ける。

その数日後の早朝に寝返りが打てないほどの痛みで目が覚め、すぐに整形外科で受診する。

レントゲンですべり症であるとの診断により、鎮痛剤のとのよとコルセットの装着を開始。

その後、整形外科で再度受診した際にMRIでの検査を行う。

この時初めて脊柱管狭窄症であると診断を受ける。

 

整形外科の主な治療は、先に記したように鎮痛剤の投与とコルセットの装着で安静にすることのみで特に改善の傾向が見えなかった。

さらに歩いていると腰から下にしびれを感じ、両足が鉛のように重く感じるようになる。

施系外科ではこの症状が出てから手術を勧められる。

「手術だけは絶対に避けたい」という思いから別の治療法を探すことにした。

その後近所の別の整形外科を7軒と整骨院を8軒回り、施術を受けるも症状は改善することはなかった。

その後1番初めの整形外科での受診から5ケ月後の朝に歩いていないにも関わらず上記の腰から下にしびれを感じ、両足が鉛のように重く感じる症状が出現。

「どうしたものか」と困っていたところに近所の当院のことを良く知る方から紹介を受け、「最後の一手」という言葉にすがる思いで来院を決意する。

「治療経過」

1診目

患者は待合室から、診察室への移動さえも困難であった。

腰の痛みと足が上手く前に出しにくく、歩行自体が大変そうな様子であり、実際に患者からも腰から下の鉛のような重さと歩きにくさを訴えていた。

歩行時は背筋を伸ばせず、前かがみ。

100mの連続歩行は出来ずに一度どこかに腰かけて休まなければ歩くことは出来ないとが、日常の移動は自転車であれば痛みやしびれが出ずに行えるとのことである。

この訴えと実際に患者の動きを診た動作や検査から「脊柱管狭窄症」であることは間違いない。

私のこれまでの経験上、日常生活を行うまでに改善する見込みはあると判断。

 

しかし、「脊柱管狭窄症」は難治性の疾患であるため時間をかけて治していくしかないことは間違いなく、半年の期間と2か月の間は週に2回来院することを伝える。

 

治療:

合谷・曲池に接触鍼、太谿と百会に置鍼することにより身体全体の気の流れを調整。

骨盤アライメント調整・中殿筋調整

 

施術後、歩行時の足の重さが軽減。腰の痛みにも若干の変化。

大きな変化は見られないが初めのうちは身体を治すための土台作りであるため、このまま1診目施術終了。

 

2診目

前回から3日後の来院。

患者から施術後、節々の痛みを感じたとの訴え。

これは当院の施術の肝である身体を治していくための土台作りに必要な過程で出てくるものであり、良い傾向である。

またいままで下半身が冷えていたものがほのかに温かみを感じたと報告。

この段階ではまだ歩く際の鉛のような重さは感じていて辛いとの訴え。

症状としては大きな変化はなし。

 

治療:

合谷・曲池に接触鍼、太谿に置鍼することにより身体全体の気の流れを調整。

骨盤アライメント調整、下肢アライメント調整。

 

施術後、前回と同様に歩行時の足の重さが軽減。腰の痛みも若干の変化。

 

2診目施術終了。

3診目

4診目

前回から5日後の来院。

患者から「前回の治療後1度痛みとシビレが大きく出た後、楽な感じが出てきた。治ってきている感覚が見えて嬉しい。」との報告。

 

良い傾向が見えたのは喜ばしいことではあるが、現在の状態ではまだまだ波があり、良く感じることもあれば痛み・しびれが強く出るであろうことを伝え、「一喜一憂」しないよう指示。

前回の施術で行った「下肢アライメント調整」が現在の状態では非常に有効であるとの判断からこの日より重点的に行う。

 

治療:

合谷・曲池に接触鍼、太衝・百会に置鍼することにより身体全体の気の流れを調整。

下肢アライメント調整、腰椎アジャスト。

 

施術後、前回の施術後に比べ歩行時の足の重さがより軽減。

歩行時の前かがみの度合いに変化。

 

3診目施術終了。

10診目

3診目以降、「痛み・しびれ共に波はあるものの徐々にマシになってきている」との報告。

この段階で初診より約1か月経過。

身体の治していくための土台作りが出来てきていて、土台作りは継続しつつ本格的な施術に移行する。

 

治療:

合谷・曲池に接触鍼、太谿に置鍼することにより身体全体の気の流れを調整。

骨盤アライメント調整、下肢アライメント調整、裏環跳に刺鍼。

 

施術後、腰の痛みが大幅に軽減。

患者からは「痛みが半分ぐらいになった」とのこと。

10診目施術終了。

20診目

初診から2か月が経過。

患者から「腰の痛みは8割方なくなったが、まだ歩いていての足の重さとしびれは7割ぐらい残っている」との報告。

調子の波も小さくなってきており、大きく調子を落とすことはなくなった。

家の中の用事も少しずつ出来てきているとのこと。

これより下肢の重さ・しびれの治療を重点的に行う。

 

治療:

合谷・曲池に接触鍼、太谿に置鍼することにより身体全体の気の流れを調整。

下肢アライメント調整、0調整、裏環跳に刺鍼。

 

施術後、足の重さが軽減。

20診目施術終了。

30診目

初診から3ケ月経過。

患者から「腰の痛みはほぼなくなったがダル重さが出てきている。」との報告。

痛みがダル重さに変わることは良い変化であり、治っていく過程のものであると事前に伝えていたため特に不安はなかったとのこと。

家の中の用事だけでなく、庭などの外での作業も出来るようになってきているとのことだが、作業後は疲れが出るとのこと。

調子の波もなくなってきているものの、まだ予断は許さない状態である。

作業は徐々に行うよう指示。

 

治療:

合谷・曲池に接触鍼、太谿に置鍼することにより身体全体の気の流れを調整。

骨盤アライメント調整、ポンピング、0調整。

 

施術後、腰のダル重さ・足の重さが軽減。

この日より1日10分から15分の散歩を行うよう指示。

30診目施術終了。

 

40診目

初診から7か月経過。

患者から「腰の重ダルさ・足の重さ共に8割方取れた。」との報告。

調子を落とすこともほとんどなく過ごすことが出来ているとのこと。

 

治療:

合谷・曲池に接触鍼、太谿に置鍼することにより身体全体の気の流れを調整。

骨盤アライメント調整、ポンピング、0調整。

 

施術後、調子も落とすこともなくなってきているため来院ペースを2週間以上空けても良い旨を伝える。

ここから先はメンテナンスに近い形で調子を維持していく施術に移行。

45診目施術終了。

「担当からの考察」

今回の患者さんであるYさんですが、初診時は本当に歩くのも辛そうでやっとこさベッドにたどり着くような状態でした。

不安も大きく、「本当になんとかなるのだろうか?」と思っていたようです。

手術を勧められては回避すべく別の病院を探すということを繰り返し、計7カ所も回ってこられていました。

整骨院にも8カ所回り、どこへ行っても治らずに困り果てて最後に当院に行きついた状態でした。

ただ僕の過去の経験から十分改善してもらえる状態であるという確信があったので、「正直に伝えると100%治すことは出来ないし、期間は半年から1年ぐらい見てもらわないといけない。それでも現在の状態の7割は治すことは出きます。そこから先はどこまで良くなるかは個人差があるのでわからないけど、十分日常生活は楽に過ごせるようになります。」とお伝えしました。

その言葉を信じて7か月で45回の施術を行い8割まで良くなってもらうことが出来ました。

 

7か月で45回と聞くと「そんなにかかるの!?」と思うかもしれません。

ただ重度の脊柱管狭窄症でまず8割のところまで良くなること自体がとんでもなくすごいことだということを知っていただきたいです。

「出来るだけ手術は避けたい」「手術をしたけど治っていない」そんな思いで困っているあなたはこの症例記事を読んで勇気が出たであろうと思います。

「そんな辛い思いをしている方の力になりたい」という強い想いを持って僕たちは毎日施術にあたっています。

ぜひ当院を頼ってきていただきたいです。

 

あなたとのご縁を心よりお待ちしています。

 

感謝。

鍼灸王国